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労務安全について


安全施工サイクルの検証2

④作業前点検は確実に行われているか?

1.作業開始前に作業場所の安全を確認しなければならないことは、職長教育を受けた人なら知っていなければなりませんが、実際に行っているかとなると、疑問です。たとえば足場、手すりの固定状況を手で触って確認していますか?作業床の結束や安定を確認していますか?段差、開口部等、作業開始前に確認する場所は多いのです。ただ単に場所を見渡すだけでは点検とは言いません。指差呼称で丁寧に点検を行ってください。

2.使用機械器具の点検は作業の安全に不可欠ですが、始業前点検を行っていますか?
使用する機械器具による労働災害を防止するために必ず行わなければならない点検が省かれていないでしょうか?作業を行う人がミスをするかもしれません。そのミスを災害に結び付けないための安全装置が作動しなかったらどうします?点検を怠る側に「大丈夫だろう」との思い込みがあるように思われてなりません。チェックリストをもとに必ず点検を行い、記録を保存してください。


⑤作業中の監視と指導は行われているか?

1.職長は作業が行われている最中に、作業員が指示に沿った作業方法、或いは危険予知活動での決定事項を遵守しているかを監視しなければなりません。この場合の「監視」とは、指示、決定事項、作業方法から逸脱した行為をしていないかを確認することであって、極めて重大な任務であることを自覚すべきです。「災害可能性=行っている行動や作業方法が災害に結びつく」について厳しい態度で臨まねばなりません。「うるさいと思われたくない」などとの理由から黙認してしまう職長は職務を放棄したのと同じです。職長自ら作業を行わなければならない現状で、監視と指導を行なうのは容易なことではないのは理解できますが、だからと言って職務をしないことを容認するわけにはいかないのです。
作業員の行動災害を防止するために、監視をしっかりと行なってください。

2.不安全行動のなかには、「知らなかった」或いは「出来なかった」から結果として不安全行動となってしまうこともあります。職長は作業員が作業をしているときに、正しい作業方法、安全な作業方法、能率的な作業方法を教えてください。作業中に行う作業指導ほど効果的なものはありません。ただし、相手の覚えこむスピードを超えてしまってはなりません。誰もが教える人ほど仕事を知っているわけではありません。教わる人の理解に合わせた速さを意識してください。ポイントを言いながら、みずからやってみせ、やらせてみせ、理解出来たかを質問しながら確認をしてください。指導は作業員の技能向上に欠かすことの出来ない大切なことです。

⑥作業は打合せに沿って行われているか?

作業員は朝礼での元請からの安全上の指示、職長を中心とした安全ミーティング、それに続く危険予知などを、自分の行う作業に反映させてください。ともすると自分の作業に夢中となり、安全を忘れがちになります。作業には危険が伴うものが多くあり、それを防止するために安全施工サイクル活動があり、決定事項があることを忘れてはなりません。「作業手順」は作業が安全に行なわれるよう作られ、危険予知は、その日の作業からの危険を回避するための活動で、仲間との約束事でもあります。また、指示された作業以外は絶対に行ってはいけません。指示外作業はたとえ善意に基づく行動であってもしてはならないのです。そこには何らの安全対策は存在しませんし、職長もそのような作業が行われていることを知りません。作業は管理監督者の決定で行われなければなりません。判断に迷ったり、作業で危険を感じたら即座に作業を中止し、職長に申し出てください。「これで間違い無いだろう」と自分勝手に判断をしたり、「たぶん大丈夫だろう」と作業を進めた結果、被災するケースは少なくないのです。

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